映画「忌怪島」 感想

映画「忌怪島」 感想映画

本記事は、【2023.6.20】にシティヘブンネットの写メ日記に掲載された「忌怪島」のネタバレ感想または考察を再掲したものです。

公開日:2023年6月16日/109分/日本
監督:清水崇
出演:西畑大吾

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映画「忌怪島」 ポスター

休日、友人との待ち合わせまでに少し時間があったため、「忌怪島」「ミーガン」「リトル・マーメイド」の中で時間が合うものを探したところ一番丁度良かったという雑な理由で鑑賞しました。

事前にあらすじすら調べていかなかったですが、とても楽しめました。
あらすじ知ってたらもっと見に行きたくなってた思う&まだ間に合うので、簡単にあらすじを紹介します。

●島ごとスキャンしてVR化するチームに脳科学者招集される
●島へ行くと呼んだ人が部屋で海水まみれで死んでたことがわかる
●VRつけて架空島を見てみると、青空だったはずの奄美の様子がおかしいし、赤い服のロン毛びしょ濡れ美人が見切れている
●あれ、ここ現実なはずなのに服が海水で濡れてるっ

こんな感じでした。もっとちゃんとしたあらすじは映画「忌怪島」公式ページ等でみられるのでそちらを参照してください。

公開直後ということもあり、極力ネタバレを避けたい人もいると思うので、感想自体に一応ネタバレ線ひいておきますね!

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頭につけるヘッドギアがどこかブレインストームを彷彿とさせるというか、VR視点の映像をVRではなく映画で見るとほぼブレインストームになるんだなと思いました。ブレインストームはやっぱり好きです。

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わたしの彼氏

映画「忌怪島」では、VRの世界と、リアルの世界/あの世とこの世の境界がどんどん曖昧になっていきます。映画内だけではなく、私たちの生きる現実世界でも既にそれらは曖昧ですよね。
PUPGで作った仲間とサバゲをする人とか居ますよね。最初聞いた時は「意味不明だな」と思いましたが、気が付けばわたしも営業Twitterで友達作ったり、夜中に突然「呪怨」の同時視聴をしたり、友達って言われて思い浮かぶのがアイコンだったりさ、あるよね?あるでしょ?みんなないの?そんな目で見ないでよ!!!
現実世界で起きていたバグ(悲しいできごとの蓄積で生まれた怨念)がVRにコピーされ、バグ(文字通りのバグ)になってしまうのはすごくロマンチックでした。いい。いいよ。電子上の人のいない海に浮かぶカットとか、そこから現実が水面を超えて手を伸ばすところもグっと来ました。

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新しい推しアイドル、イマジョちゃん

ここまでがSF的な話で、ここからホラー的な話をすると、1人で研究室にいるときに、リアルな海水が足元から流れてくるあたりとか超怖かったです。ああ!怖い!怖いけどわかるぅうう。

ホラーで「わかる」ってなんなんだよ、霊感でもあんのか、と思われそうなのでしっかり説明すると、霊感はなくても、幼少期から叩き込まれた「こわいもの」があれば、頭の中でこわいもののイメージが出てきたりしませんか?もはや怖い通り過ぎて、居るんですよ、いつでも。

すこし話はそれますが、わたしの傍にも、「こわいもの」が居ます。

わたしの傍にいるのは、「川の決壊はいつでも起こりうる/おこっている」ということです。”それ”は東日本大震災の津波の映像以降、具体的なヴィジュアルを伴うようになりました。地元がいわゆる「本気のゼロ地帯」のため、震災時、実際に水浸しになった場所もあります。
夏、避難警報の止まない夜もありました。
わたしの地元は、警報が鳴るまえに橋が封鎖され、どこにも逃げられなくなります。沈む島に取り残されたまま「すずか氏のとこ大丈夫?そこから逃げたほうがいいよ」と心無いメッセージを貰ったこともありました。

わたしは、頭の中でなんども、自分の生家がゆっくりと水没していくところをリアルに想像しています。現在でも、通学路を歩いていると、水没した通学路と、普通の通学路を同時に歩いていることが、よくあります。だって昔、ハザードマップでそれを見てしまったから(イメージ映像で、実際どこまで沈むかかいてあるんだよ、すごいよね)

この地域に長く住んでいた人は、みんなそうなんじゃないかと思うんですよね。夢で見たことがない人はいないと思うんです。現実には決壊したことはないんですけど。でもわたしたちの川は、いつでも決壊しているんです。

ちょっとうまく伝わったかわからないですが、以上のような経緯で、映画のなかで水が流れてくるシーンをみたとき、「わかる」に至りました。
別に水じゃなくても「わかる」だと思うんです。島自体に連綿と受け継がれていた恐怖は、染みだしてくるよにやってくるものだというのがすごくグっときました。勝手に合点しました。わたしの心の水も、しみだしてくるものだから。

あーーん!!

ものすごく面白かったし素敵だったので本当に沢山の人に見に行ってほしかったのに、やっぱり魅力を上手に伝えるのはすごく難しいですね。悔しい。見に行ってね。


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