本記事は、クレイグ・ゾベル監督の社会風刺アクションコメディ「ザ・ハント」のネタバレ感想または考察について書いたものです。オーソンウェルズの「動物農場」を読んでから見るとより楽しいです。
映画 ザ・ハント(原題:The Hunt) とは
公開日: 2020年10月30日 (日本) 監督: クレイグ・ゾベル 原題:The Hunt
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映画 ザ・ハント(原題:The Hunt)感想
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結局全員「豚」にされたというわけだ
u-nextにて鑑賞しました。
見始めたときは「バトルロワイヤル的な理不尽サバイバルなのかな」と思っていたら、中盤から全然違う映画で最高でした。めちゃくちゃ面白かったです。
以下は「ザ・ハント」及び「きさらぎ駅」のネタバレに触れる感想のため、これから見る予定の方はブラウザバック!
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激シブの車内アクション
タメの少ないアクションと過剰なキャラが絶妙で、エグいシチュエーションでガンガン人が死ぬのにずっと笑いが止まりませんでした。
主人公クリスタル、人をボコることに1mmも躊躇がない。その爽快感は、ジョンウィックとかMr.ノーバディなどの実は強いおじさん系映画に近かったです。「タイムリープしてきて1度経験済でした」みたいなオチかと勘繰ったくらいには動きがよかったです。
中盤で映画の展開がガラッと変わってより楽しかったです。アシーナサイドは、「人間狩り」のために格闘技を習うのですが、インスタ映えするジムで”楽しい準備期間”風にカットが入るのも可笑しく可愛らしい、、、狂った目的のためのトレーニングシーンは、激アツ胸熱でした。
ラストのクリスタルが”スノーボール”と呼ばれている理由のシーンが楽しかったです。
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パット見退勤時の風俗嬢
オーウェルという作家は、イギリス文学史の授業で出てきた『むずかしいディストピア小説のひと』という程度の認識でしたが、それくらいの認識でも痺れるシーンでした。
学生時代お金がなく、山崎パンの工場で働いたことがありました。そこにいたオジサンは、休み時間にカミュの転落を読んでいました。わたしは高校時代カミュにつまづいて読めなかったため、『どうしてこの人は山パンにいるんだろう』と思ったりしたことをふいに思い出し赤面しました。
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なんでもありのキッチンアクション、最高
今や待機中に宮内悠介を読む風俗嬢なので、あの時のおじさんとは仲良くなれたかもしれません。
映画で引用されたのは『動物農場』という小説で、あとで調べたら、民主主義が混乱の果てに独裁を産んだり、保守とリベラルの間での対立の際に仮想敵を作ってどっちも虚実ないまぜに世界を牛耳ろうとしていく人間模様を豚で描いた小説、らしいです。マジかよ。映画のテーマそのまんまでした。
というわけで、これからみる人は『動物農場』を読んでから見たら100倍楽しいハズ!読んでなくてもすごく楽しかったです。